パーカー・フィン『SMILE スマイル』(2022)
原題: Smile
run time: 115
あらすじ
救急精神病棟で医師兼セラピストとして日夜激務に追われているローズ・コッター (ソシ―・ベーコン) はある日、教授がハンマーで自身を殴打するという惨たらしい自殺を目の前で見てしまった女子大学院生と面談する。大学院生いわく、いろいろな人間の顔をした「何か」が不気味に笑っているのが見え、そのせいで近い将来、自分の身に不幸なできごとが起こるに違いないのだという。ローズが「精神的に追い詰められているのでは」と指摘しても、「何もわかってない」と彼女は聞き入れない。
その面談の途中、「何か」が見えてしまったらしい大学院生がひどく怯えだし、ローズは慌てて内線で応援を呼ぶのだが、振り返ると倒れていたはずの女性が立ち上がり、不気味に笑ったまま割れた花瓶の欠片で自らの喉を裂いてしまう。その日の夜からローズの身にもおかしなことが起こり始める。
感想
『リング』フォーマットのホラー映画。途中まんまな箇所がある。
猫が死にます。
冒頭の大学院生との面談場面、ソファーが青、黄色い花が活けられた花瓶が割れて、ローズが飛びついた内線電話が赤と、忠実な信号機演出がされるので良くなると期待していたのだがいまいち不発だった。
何度も物が割れる。4回くらいあったのではないか。特にそれがモチーフになっている感じはなかった。
何度も電話やメッセージがくる。警備会社からの電話は怖くて良かったがあとは手数の少なさに見えてしまって不満。作劇に便利なんだろうな、スマホ。
中盤は完全に「精神病者との付き合い方」ムービーになる。周囲の人間からすれば当然の反応だと思うが、それで映画が面白くなるかというと別だと思う。
せっかく感染への対抗策 (『リング』とちがってもっと直接的・身体的) がわかったのだから、ではどうやってその対抗策を実行するかをロジカルに組めればもっとフレッシュな内容になったと思う。そこにきっちり「スマイル」要素も組み込めていれば…と簡単に思ってしまうが、言うは易しというやつだろうか。
かなりしっかりクリーチャーの姿が出てきてびっくりした。八尺ある落ち武者みたいでキモい。